FLStudioサイドチェインの設定方法2種を徹底解説

2019 07 19 22h23 29 FL Studio
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FLStudioサイドチェインの設定方法2種を徹底解説

Chillout with Beats の yosi です。

FLStudioでFruity Limiter以外のサイドチェン設定方法を調べたのですが、無くて自分で考えて検証して出来たので公開します。(日本でここまでちゃんと書いているのは多分このサイトだけです

多分やってる人はやっていたのだと思うのですが、記事にする人が居なかっただけかと思います。

2019-09-02 追記

・応用としてDelayとサイドチェイン効果を組み合わせた方法を追記
この方法を使うとボーカルが歌っている時はディレイ音が小さく、歌ってない時にディレイ音が大きく出来ます。

サイドチェインの効果について

まずサイドチェインの効果についてです。

記事はAbleton社のチュートリアルが歴史的背景から順を追って説明されていて参考になります。

こちらの記事では音付きでサイドチェインについてバリエーションもしっかり解説されていてとても参考になります。

効果を聴くなら上記記事内でも出てくるフィルターハウス系の音楽だとサイドチェインの効果も判り易いです。(上物とKickがしっかりと聴こえてメリハリがあります)

FLStudioでサイドチェイン効果を得る4つの方法

徹底解説と言う位なので、しっかりと2種類設定方法を解説します。

ただFLStudioでサイドチェンの効果を得る方法としては4種類あります。
(既によく知られている2種は今回解説から除外します)

1.Fruity peak controller(本記事対象外)

Fruity peak controllerを使う方法で良くネット上で見掛けます。

ただ、サイドチェイン独特の一体感は殆どない為、使う場面が限られます。

フェーダーでやってしまうと少し全体の音量を変化させたい時に不便なので、Fruity Balance等を使うと良いです。

・複雑なルーティングが必要無く、フェーダーが動くので目に見えて判り易い
・Fruity peak controllerでボリュームを落とす範囲やタイミングを微調整出来る
・Loop素材の場合キックのみをEQなどで分ける必要があり、Mixerを複数使う
・サイドチェインするトリガーとソースの一体感に欠ける

 

2.Fruity LimiterとMixerのルーティングで行う(本記事対象外)

FLStudioのサイドチェインの検索記事で最も多いのがこのパターンです。

Fruity Limiterをサイドチェインコンプとして利用するケースです。

・サイドチェインするトリガーとソースの一体感が出る
・特別な設定が必要なく簡単に出来る
Loop素材の場合キックのみをEQなどで分ける必要があり、Mixerを複数使う

3.サイドチェイン対応のコンプやリミッターとMixerのルーティングで行う

3rdパーティ製のコンプでサイドチェインのやり方を探したのですが、全然見つからなかったので、記事にしました。

まずメリット、デメリットです。

・Fruty Limitter以外のCompやLimitterが使える
・DrumLoop素材の場合キックのみをEQなどで分ける必要があり、Mixerを複数使う

殆どFruity Limiterを使う方法と変わらない為、サラッと解説していきます。

動画を撮りました。

コンプはNativeinstrumentsのSolid Dynamicsを使っていますが、サイドチェインに対応しているコンプ、リミッターなら同じ手順で出来ます。

簡単に解説します。

BassはMixer1でKickはMixer2に入れています。

2019 07 19 15h13 12

Mixer1にサイドチェインに対応したコンプ、リミッターをインサートします。

Mixer2からMixer1にルーティングします。
(以下の赤枠をクリックするとルーティングされます)

2019 07 19 15h11 51

この時右クリックでルーティングする音をサイドチェインだけで使うかミキサーに混ぜるか選択する事も可能です。2019 07 27 17h42 13

先にルーティングをしないと以下の手順に進めませんので注意してください。

インサートしたコンプを開き、画面上部の歯車アイコンから以図の様に順にクリックしていきます。
④で上にドラッグすると番号が表示されます。

これはルーティングされている番号が出てきます。
(複数ルーティングしている場合は1以外にも表示されます。)

2019 07 19 15h14 11

これで準備は出来ましたので、コンプの設定を変更しましょう。

一応かなり効果が強めの設定を貼り付けておきます。

2019 07 19 15h19 02

 

4.サイドチェイン対応のコンプやリミッターとPatcherを使ってルーティングを行う

この方法はPatcherを使って色々考えている時に思いつきました。

自由度が半端ないので、ループ素材をサイドチェインのソースとする際に有効です。
(EQでバスドラ部分のみ抽出してサイドチェイン出来る為)

 

・Mixerが一つで済む
・視覚的にルーティングが判り易い
・自由度が半端ない
・PatcherやMIDI等を理解していないと上手く扱えない可能性がある

 

Patcherは少し詳しく動画を交えて解説していきます。

まずは以下の手順を行います。

・「Patcher」を「Mixer1」にインサートし、「Patcher」内で「SliceX」を追加します。
・「SliceX」にドラムLoopをを読み込みます。(ドラッグで読み込めます)

次にサイドチェインに対応したコンプレッサーを追加していきます。

ここではNativeinstrumentsの無料のKompleteStartに含まれているSuperchargerを使います。

 

・Patcherにサイドチェインに対応したコンプ「Supercharger」を追加する
・「Supercharger」にAudioInを追加する
・「From FL Studio」に「Event Out」を追加する
・「Event Out」と「SliceX」の「MIDI IN」を接続する

2019 07 19 18h18 33

EQを追加して接続していきます。
ここでは「Fruty Parametric EQ 2」を使っていますが、ハイをカットするだけなので、EQであれば何でも問題ないです。

・「Fruty Parametric EQ 2」の追加
・「From FL Stduio」と「Supercharger」の接続(上のInputに接続)
・「SliceX」と「Fruty Parametric EQ 2」と「Supercharger」の接続
・「SliceX」と「To FL Studio」の接続

2019 07 19 18h39 19

次にEQとコンプの設定をします。

・「Supercharger」の歯車アイコンから「Connection 2」にInput1を割り当てる
・「Supercharger」の「Sidechain」をONにして、「Compress」の値を12時位にする
・「Fruty Parametric EQ 2」でハイをカット

2019 07 19 18h50 21

Midiの設定をしていきます。

・「Midi Out」を追加する
・「Patcher」の「SliceX」にサンプルを読み込んだ際のMidiデータをMidi Outにコピーする
・音が鳴るか確認する

 

・サイドチェインしたいサンプルを読み込む
・ミキサーの出力先は「Patcher」がインサートされている「Mixer1」を選択する

音を鳴らしてみてサイドチェインの効果が薄かったので、EQでハイを更に削りました。
あともう一つサンプルを足して「Mixer1」に足しました。

この動画はWavesのH-Compでのサイドチェインをしてみました。

Analogのつまみを動かすと結構音が変わってきます。
(MP4の変換で大分高音が削れて違いが判り辛くなってますので、是非色々試してみて下さい。)

 

番外編 サイドチェイン効果とDelayを組み合わせて使う(追記)

以下の記事で作ったデモのラップに掛けた効果です。

尺八の音源を探している方はセール中ですので、以下の記事も読んでみて下さい。

一応無料のプラグインでも出来るので、別途解説用に作りました。

利用したプラグインは以下の通りです。

・FL標準のPatcher
・FL標準のFruty Deleay3
・NIのSuperCharger(無料版)

NIのSuperChargerはKompleteStartに付属します。インストール等は以下の記事を参考にして下さい。

設定手順

やり方は「Patcher」を使うやり方と同じですので、詳細は省きます。

入力を2つに分けて、片方はサイドチェイン用で、片方はディレイを掛ける用です。

 

2019 09 02 11h57 34

 

サイドチェインの効果の違いを聴いてみて下さい。

この曲のサンプルは全てLoopcloudの無料サンプルからです。

無料でかなり使えますので、持っていない人はダウンロードすべきです。

 

FLStudioサイドチェインの設定方法2種を徹底解説まとめ

まとめます。

・FLStudioでサイドチェイン効果を得る方法は4つ(2つはあまり知られていない)
・2つの内一つはミキサーのルーティングで行う方法
・もう一つはPatcherを使う方法
・Patcherを使う場合はMIDI信号の流れ等を理解していないとハマる可能性がある
・コンプによってサイドチェインのキャラクターが変わる

FLStudioユーザでサイドチェインにFruty Limitterしか使っていなかった人は是非他のコンプやリミッターを使ってみて下さい。

また違った楽しみがありますので是非。

 

 

 

コメント

  1. ラマ より:

    4.サイドチェイン対応のコンプやリミッターとPatcherを使ってルーティングを行う。というのをやってみました。
    PatcherやMIDI等を理解していないと上手く扱えない場合がある、まさにその通りで少し難しかったんですが、できました!
    DrumLoopの場合はどうすればいいのだろうと思っていたので、yosiさんの解説がとても役に立ちました。
    日本でここまでちゃんと書いているのは多分このサイトだけとのこと、ありがたいです。

    • yosi より:

      ラマさん

      コメントありがとうございます。
      上手く出来たようで良かったです。
      何の偶然か解りませんが、丁度書き込みを頂いた日に私もこの記事を見直していて、もう少し分かり易くしたいなと思った矢先にコメント頂いたので驚きました。

      日本でここまでちゃんと書いているのは多分このサイトだけとのこと、ありがたいです。

      お恥ずかしい限りです。
      読み返すと分かりづらいなぁと思う部分が見つかって客観的に見るのは難しいなぁと思っていた所です。

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