Lo-Fi好きにおすすめAudioThing Speakers徹底レビュー
管理人 yosi です。
AudioThing SpeakersはLo-Fi系プラグインとしては後発です。
有名で似ているプラグインはSpeakerphone 2やFutzBox Nativeです。
機能、価格面からも丁度両方の中間に位置する製品と言えます。
しっかり作り込まれており、少し高めの値段設定(定価$99)も頷けます。
結論から言いますとAudioThing Speakersはこんな方におすすめです。
・色々なマイクやスピーカーの音を楽曲に加えたい方
・しっかり音を作り込みたい方
・時短を求める方
・パラメーターは少ない方が良いという方
このレビューは以下のポイントを中心に書きます。
・スピーカー、マイクからピックアップして音付きで解説します。
・ディストーションアルゴリズムを音付きで解説します。
・プリセットのバリエーションを音付きで解説します。
・CPUとメモリの負荷をFLStudioのPerformanceモニターで計測します。
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AudioThing Speakersの概要
スピーカーは、AudioThingの最先端のコンボリューションエンジンを使って、さまざまなスピーカーやマイクをエミュレートするプラグインエフェクトです。
古い電話機、ラジオ、クラシックキャビネットで再生されているように、あるいはビンテージリボンマイクやトイレコーダーで録音されているように、どんなサウンドでもシェイプできます。
スピーカー」には、コンプレッション、ディストーション、フィルタリングからなる自由に設定可能なエフェクトチェーンと、さまざまな環境でサウンドを設定するためのループするバックグラウンドノイズが用意されています。
Speakersは、ゼロレイテンシーのポストプロダクションプラグインです。
主な機能
Speakersには全部で6つのモジュールが搭載されています。
・Speaker(EQ付き) – 47種類
・Distortion/Degradation – 15種類
・Compressor
・Filter
・Background Noise – 30種類
これらのモジュールは順番を自由に入れ替える事が出来ます。
(なおMICとSPEAKERのEQは動かせません)
それぞれのモジュールを解説します。
マイクとスピーカーは実質同じモジュールなので一緒に解説します。
Microphone(EQ付き)/Speaker(EQ付き)
MicrophoneとSpeakerが分れています。
そしてそれぞれにプリセットとして異なる種類が選べる仕組みです。
マイクが30種類、スピーカーが47種類です。
単純なIRかと思ったのですが、CPU負荷がかなり高いので特殊な処理をしている可能性が高いです。
パラメーター
設定出来るパラメータは以下の通りです。
1つ惜しいのはECHOがBPM同期しないんです。
BPM同期するとディレイとしても簡単に使えるので良いのですが、残念です。
次期バージョンに期待です。
Pitch インパルス応答のピッチを変更します。
Echo インパルス応答エコーの時間を制御します。
Feedback インパルス応答エコーのフィードバックを制御します。
Balance ウェット信号のバランス/パンをコントロールします。
Mix ドライ信号とウェット信号のミックスをコントロールします。
Output 出力ゲインの量を制御します。
Phase 信号の位相を反転させます。
EQ
マイクとスピーカーモジュールにはそれぞれ5バンドEQが搭載されています。
使い勝手も申し分無く、狙った音作りが可能です。
ルーティングと各モジュールの役割がとても考えられています。
マイクの高音を削りたければ、EQを使えば簡単です。
ノイズの高音を残したければ、EQをしてマイクの後にノイズモジュールを配置すれば良いです。
マイクが30種類
マイクのカテゴリとマイクの種類は以下の通りです。
マイクのみのプリセットを切り替えてみました。
マイク以外は全てOFFの状態です。
スピーカーが47種類
スピーカーのカテゴリとスピーカーの種類は以下の通りです。
GameBoyなんかもあります。
スピーカーのみのプリセットを切り替えてみました。
スピーカー以外は全てOFFの状態です。
Distortion/Degradation
Distortion/Degradationは一言で言えば、歪みやノイズを付加するモジュールです。
パラメーターは2つしかありませんが、音の変化は結構大きいです。
また入力の量によっても音が変わります。
Distortionが7種類でDegradationが8種類です。
Distortion
歪みですが、少し変わったものが多いです。
どれも特徴がしっかりあってこれだけ使っても良い感じです。
一通り動画にしました。
Distortion以外は全てOFFです。
Degradation
個人的にはDegradationがこのプラグインの強みだと思います。
マイクやスピーカーに目が行きがちですが、実はこのDegradationと組み合わせると音が一気に化けるのです。
音を聴いてみて下さい。
不安定なLo-Fi感の演出が見事に出来ます。
Compressor/Filter
はっきり言って、この2つのモジュールに関してはおまけと言う感じです。
パラメータも2つだけで特に特筆すべき点はありません。
ただし不要なものではなく、音の調整をする為に必要なモジュールです。
例えば、ノイズの後にルーティングし、不要な高音ノイズをカットしたり、ノイズとリズムを一体化させる為にコンプを使ったりと無いと不便なモジュールです。
Background Noise
これはほんと良いです。
Background Noise自体色々な種類があります。
テクスチャーを変えるのにとても役に立ちます。
素晴らしい事に自分で追加する事も可能です。
「TYPE」の「Open noise folder」でフォルダを開き、自分の好きな音をフォルダに格納するだけです。
実際以下の画像の「Vinyl Crakles」はCymaticsの無料ライブラリLIFEから持ってきました。
パラメーター
TYPE ノイズの種類を選択出来ます。実態はWavなので、自分で追加可能。
LEVEL ノイズの音量
ENVELOPE -、+、OFFを選択可能。入力に対してノイズをリダクション(-)するかゲイン(+)するか変化させない(OFF)が出来ます。
動画を用意しました。
その他
他にも痒い所に手が届く機能があります。
GUIのサイズ変更
最近ではこの機能が無いとがっかりしますね。
SpeakersはGUIの右下をドラッグすればかなり自由に変更出来ます。
あと3種類から選択することも可能です。
Lock機能
これほんとうれしいですね。
Lock機能はプリセットを変更する際に変えたくないパラメータをLockすれば、プリセットを変更してもLockしたパラメータは設定値を維持してくれます。
全Lockや全Lock解除もあります。
プリセットランダマイズ機能
これLock機能と合わせて使えば最強なやつですね。
ランダマイズで動いて欲しくないパラメータはLockしてあとはサイコロを投げまくるだけです。
プリセットのバリエーションを音付きで解説
プリセットは合計50収録されています。
カテゴリは以下の4種類です。
Devices 18プリセット
LoFi 12プリセット
Sound Design 11プリセット
50プリセットを流してみました。
ボーカルに掛けると良い感じなプリセットをさらっと流しました。
CPUとメモリの負荷をFLStudioのPerformanceモニターで計測
CPUとメモリ負荷をFLStudioのPerformanceモニターで計測しました。
CPUはCore i7-4770K 3.5GHz 24GBメモリでの計測です。
読み込んだ状態です。
メモリは140MB程度の増加で特に問題の無いレベルです。
しかしCPU負荷はかなり高い部類に入ります。
FLStudioの場合、「Use fixed size buffers」を有効にすると劇的にCPU負荷が下がりました。
停止時も再生時も一律平均35%程度で最大40%のCPU使用率でした。
プリセットを一通り確認しましたが、3%から5%のCPU使用率でした。
Lo-Fi好きにおすすめAudioThing Speakersレビューまとめ
まとめます。
少ないパラメータにも関わらず、かなり突っ込んだ音作りが可能です。
レビュー作成中に一切不安定になる事も無く、信頼出来るデベロッパーさんです。
AudioThingさんかなり好きになりました。
AudioThing Speakersはこんな方におすすめです。
・色々なマイクやスピーカーの音を楽曲に加えたい方
・しっかり音を作り込みたい方
・時短を求める方
・パラメーターは少ない方が良いという方
注意すべき点は以下です。
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