今回はAudioDamageのFilterstation 2の使い方をもう少し深く解説していきます。
基礎編の記事はこちらから
この記事は以下の内容でお送りします。
・エンベロープの使い方
・エンベロープ(サイドチェイン)の使い方
LFOの使い方
まずはLFOの使い方を解説していきます。
LFOを理解して使えるようになると何かと便利なのです。
主に動きを付けたい時に使います。
以下の動画ではバイパスからスタートして、バイパスを戻し、LFOのONの状態、OFFの状態にしてみました。(最後にLFOのスピードを変えてみました)
「Filterstation 2」のLFOはFilterのCutoffに対してのみ掛かります。
これは固定なので変更は出来ません。
自由度は損なわれますが、その分がインターフェースがすっきりし、理解し易いと思います。(どちらが良い悪いでは無く、トレードオフだと思います)
LFOの使い方として以下の2点を解説します。
・Phaseの役割
LFOのBPM同期と非同期
設定方法は単純に「SYNC」を点灯させるとBPMと同期し、消灯させるとBPM同期せず、HzでLFOが動きます。
「SYNC」点灯させBPM同期状態だと「RATE」の数字が分数表示となります。
「1/1」なら1小節に波形が1サイクルします。
ただこのままだとFilterはモジュレートされませんので、どれ位モジュレートさせるか量を設定するのが「LFO AMOUNT」です。
「LFO AMOUNT」には「+」と「-」があります。
これは単純に「+」の時はFLOと同じ動きをFilterCutoffがします。
「-」の時はFLOとは逆の動きをFilterCutoffがします。
用途としては2つのFilterに対してLFOをずらして掛けたい時に使います。
例えばVCAを使ってステレオのトレモノ効果を得る場合なんかに使えます。
Phaseの役割
「Phase」は「SYNC」が点灯時に動作します。
「SYNC」が消灯時は動作しません。
「SYNC」はDAWが再生した際にLFOの波形がどこから始まるかを指定します。
ただ仕様するLFOの波形によって変わるので波形を見た方が早いと思います。
エンベロープの使い方
次はエンベロープを解説していきます。
以下の動画ではドラムに掛けています。
(ドラムの様な楽器の方が掛かりが判り易いです)
エンベロープは要はエンベロープフォロワーです。
入力の強さに対してFilterがアッタクとディケイの設定値に従って掛かります。
ですからアタックの強い楽器だと効果が判り易いです。
(ギター、ベース、ドラム等)
ATTACK:入力信号のレベルが上昇したときにエンベロープ・フォロワーの出力がどのくらい速く上昇するかを制御します。
DECAY: DECAY はその逆で、入力信号のレベルが低下したときに出力がどれだけ速く低下するかをコントロールします。ドラムやエレクトリックベースなどの信号にエンベロープフォロワーを使用する場合、エンベロープフォロワーが素早く反応するように、アタック値をゼロに近い値に設定するとよいでしょう。ディケイの設定を調整すると、音が消えていくときにエンベロープ・フォロワーのレスポンスを滑らかにしたり、長くしたりすることができます。シンセサイザーパッドのような持続性のあるサウンドでは、アタックタイムを長くすることで、コードを押さえながらゆっくりとフィルターを開いていくフェードイン効果を作ることができます。VCAフィルター・モードと組み合わせれば、アタック・タイムを長くすることで、ギターのスロー・ギア・エフェクトを作ることができます。
エンベロープは以下の動画を見て頂きたいのですが、少しDecay値を上げないとAttackが上手く動作しないように思います。
エンベロープとLFOを一緒に使うとノリを作る事が出来ますね。
エンベロープ(サイドチェイン)の使い方
エンベロープのサイドチェインについてです。
サイドチェインはサインチェインインプットの入力に反応してFilterが動作します。
この時AttackとDecayレベルでFilterの開閉スピードを調節出来ます。
サイドチェインを使った方が、自分でタイミングを自由に調節出来ます。
以下の動画ではアタックを変えてフィルターが掛かり始める時間を変えています。
サイドチェインでエンベロープをトリガーする
まず設定方法です。
サイドチェインインプットに入れるのはここでは「3x OSC」を使います。
(何でも良いのですが、長さを自由に調整出来る方が良いです)
なお音量は最大にしておきましょう。
Mixer1に「3x OSC」を入れ、Mixer 2に「Filterstation2」はインサートします。
Mixer 1を選択した状態で、Mixer 2の「▲」の上で右クリックから「Sidechain to this track」をクリックします。
「3x OSC」を鳴らさない場合は、ルーティングを削除します。
Mixer1を選択した状態で、以下の赤枠部分をクリックします。
一応動画も用意しました。
「Filterstation2」の画面上部の歯車アイコンから「Processing」->「Connections」の「2 SC L/SC R」を「1」にします。
(他にサイドチェインを設定している場合は、適宜変更する必要があります)
「Filterstation2」の「SIDECHAIN」を点灯させます。
「3x OSC」のピアノロールに適当に入力します。
あとはFilterを掛けたい音をMixer2に入れて再生すればサイドチェイン入力に反応しれFilterが開閉します。
開閉スピードはAttackとDecayで調節出来ます。
AudioDamageのFilterstation 2の使い方(応用編③)まとめ
いや~使い易いですし、効果も素晴らしいですね。
なんかMeldaさんのプラグインとAudioDamageさんのプラグインを足して2で割ったら良いプラグインが出来るんじゃないかと思ってみたり。
これでAudioDamageのFilterstation 2の使い方シリーズは終わりです。
コメント
>パラメーターは多ければ良い訳ではないですね。
おっと、Meldaの悪口はそこまでだ
(MeldaはMeldaで最高のプラグインメーカーの1つですが)
>おっと、Meldaの悪口はそこまでだ
なんでわかったんですかw
Meldaさんは良いプラグインメーカーだと思いますが、なんか情報量の多さにやられるんですよね・・・
簡易表示機能は便利ですが、そこからエディットモードに入った際の変化幅が大き過ぎて大体の人はひくんだと思うんです。
(メインで開発されている方が多分天才肌的な人なのかなーと思います)
>なんでわかったんですかw
逆になんでわからないと思ったんですかw
Melda以上にプログラミング能力にステータス全振りして、UIに無頓着なメーカーを他に知りませんw
MeldaはホントDAW並に機能がごちゃごちゃしてます。
最近、Logicに致命的なバグを発見してAbleton Liveに乗り換えたんですが、UIやワークフローが洗練されていてビックリしました。
機能面ではLogicやCubaseなどの従来型のDAWより明らかに少ないんですが、少ない分やり方が限定されていて作業に則したUIになっているので作業速度が上がりました。
Meldaにも、もっとワークフローを意識したUIを設計してほしいです。
1番好きなメーカーなのにUIのせいでオススメできない(´・ω・`)
>逆になんでわからないと思ったんですかw
まさか最後の所まで読んでるとは思わずw
気を抜かず書きます!
しかしMeldaさんUIも少し頑張って欲しいですね~
色々凄いと思うもののエディットとしていると躓いてやる気をそがれるんですよね。
>最近、Logicに致命的なバグを発見してAbleton Liveに乗り換えたんですが、UIやワークフローが洗練されていてビックリしました。
Ableton Live良いですよね、使い易いと思うのですが、ピアノロールが合わなくて、FLStudioに戻ってしまいました。
あとはアプグレ料金が中々のお値段でVer9で止まってます。
11がもうすぐ出る事だしアプグレしようと悩み中です。
>しかしMeldaさんUIも少し頑張って欲しいですね~
>色々凄いと思うもののエディットとしていると躓いてやる気をそがれるんですよね。
めちゃめちゃわかります。初見で何もわからず心が折れかけ、マニュアル確認しようとしたら、マニュアルが130ページ以上あるのを見て心が粉砕されました。
何を隠そう自分がマニュアル全ページ読めてないメーカーの1つがMeldaなんですよねぇ(´・ω・`)
(クイックマニュアルすら30ページ近くあります。それ他のメーカーのマニュアルより長いんだよなぁ…。)
あと、UIもそうですが配色もなんかダサいです。
DTMの勉強始めた最初の頃は、見た目のせいでなんか音悪そうとか思ってましたw
>11がもうすぐ出る事だしアプグレしようと悩み中です。
個人的に合わないのであれば無理して使う必要はないように思います。
Abletonが合わない人がいるのはめちゃめちゃわかります。
特にFLからだとパッチャー?が使えなくなるのが痛そうです。
私はある程度モジュラー系のプラグインで代用していますが、やっぱりパッチャーは羨ましいです。
モジュラーだと、使えるモジュールがそのメーカーのものに限られるので、ここであのメーカーのリバーブ差したいんだよなぁってときはDAWでルーティングしないといけないのが面倒です。
Ableton歴は浅いですが、Logicと比較して優れていそうなのは、ワークフローとMax For Liveのように思います。
特に私はMax For Liveじゃないと出来ないことがあるので、それが決め手になりました。
FLのパッチャープラグイン化してくれないかなぁ…。多少高くても買いますよあれは(´・ω・`)
記事の統合がありそうなので、他の応用編の記事を見て思ったことをこちらに書きます。
Filterstation 2ですが、エンベロープフォロワーでフィルタがSerumみたいに視覚的に動かないのがもったいない気がしますね。
単純なLFOであれば周波数の変化する幅が視覚的に調整できるUIになっているので、動かなくてもある程度制御できますが、エンベロープフォロワーは動いてくれたほうがアタックやリリースの調整がしやすいと思います。
私が知っている中だと、SoundtoysのFilterFreakが視覚的に動いて、ある程度GUIも整理されているのでバランスが取れているように思います。
Soundtoysならバンドルで持ってる人が多そうですし、Filterstation 2でできることは大体カバーできます。
(フィルタの表示画面から直接パラメータをいじることはできないので、そこはFilterstation 2が優れています。)
また、エンベロープフォロワーをLFOのレートに適用できるため、音の大きい部分ではLFOのレートを早く、小さい部分では遅くできるのも面白いです。
唯一、LFOのレートにエンベロープフォロワーを適用するとき、Tweakメニューを表示する必要があるのですが、情報量が増えるので敬遠してしまう人が出るかもしれません。
(もちろんMeldaのEditモードに比べたら1000倍マシです。今は慣れましたが、あれ初めてみたとき心折れましたw)
Filterstation 2のLFOでFilterを動かした際、GUIが連動しないのはほんと残念ですね。
あれで動いてくれたら最高なんですけど。
SoundtoysのFilterFreakは持っているのですが、最近使ってなかったです・・・
ちょっと使い方記事でもかこうかな。
FilterFreakも素晴らしいですからね。
>また、エンベロープフォロワーをLFOのレートに適用できるため、音の大きい部分ではLFOのレートを早く、小さい部分では遅くできるのも面白いです。
この機能は良いですね。
>(もちろんMeldaのEditモードに比べたら1000倍マシです。今は慣れましたが、あれ初めてみたとき心折れましたw)
いや~ほんと心折れます。
直感的に操作が全然出来ないからなんか左手で生活しているかのような苛立ちを感じるんですよねw
何度もコメントごめんなさい(´・ω・`)
前のコメントでFilterFreakならエンベロープフォロワーをLFOのレートに設定できると書いたんですが、今確認したら出来ませんでした。
なぜか同じメーカーのPanManにはLFOのレートのエンベロープフォロワーが搭載されているのですが、FilterFreakには付いていませんでした…。(なぜだ…)
自分が知ってる範囲でLFOのレートにエンベロープフォロワーを適応できるのは結局Melda製だけでした(´・ω・`)
Serumならエンベロープを書いてレートに適応してしまうのが一番楽ですが、オーディオに適応しようと思ったら意外とできないもんですね…。
FilterFreakのフィルタがLFOやエンベロープで視覚的に動くのは本当なので、持っていたら触ってみてください。
ただし、サイドチェインはありません。