FLStudioのオートメーションでサイドチェインをする際に知っておくべきこと①
以前検証した結果、ミュートするコントローラーで無音になるまでに時間差異が生じる事が分かりました。
今回その時間差異がサイドチェインした際にどれ位影響が出るかを検証したいと思います。(オートメーションはサイドチェインではありませんが、ここでは便宜上サイドチェインと表します)
結論から言うとそれなりに影響が出てしまいます。
ただしKickのタイプ、Bassの音色で影響は変わるのでオシロ系のプラグインと耳でしっかり確認すべきです。
それなりがどの程度かと言うと以下の動画を見てみて下さい。
KickのアタックにBassの頭が被り位相が変化してしまっています。
アタック部分だけ取り出してみました。
結構バラバラ音量に差が出てしまっています。
(バラバラになる理由はSerum側にあり、サイドチェインとは関係ありません)
検証した方法は以下の通りです。
検証方法
まず音色はKickがFLStudioのテンプレの音で「808 Kick」です。
BassはSerumで808系の音です。
FLStudioの「Fruity Balance」を使ってオートメーションでサイドチェインをしています。
タイミングは開始、終了位置共にジャストです。
以下の様にサイドチェイン開始時にBassをカットしきれない部分がKickと被ります。
回避方法
回避する方法は難しくはありません。
単純にオートメーションクリップの位置を少しずらせば解決します。
動画も用意いました。
FLStudioのオートメーションでサイドチェインをする際に知っておくべきこと①まとめ
今回はオートメーションクリップで「Fruity Balance」を使っていますが、他のプラグイン等も気になるので検証してみようかと思います。
例えばDuckのモード別も違う結果となるでしょうし、Limiter等を使ったサイドチェインの場合など非常に気になります。
次回は他のプラグインで検証してみようかと思います。
コメント
個人的にこの記事の内容好きですw
オートメーションでダッキングは基本しないので未検証でしたが、以前のミュートの記事と関連してるのでずれますよねぇ。
こういうプラグインの挙動調べるの好きなので少し踏み込んだことを言うと、遅延の発生するプラグインと同時に使ったりルーティングを複雑にしてもDAWによってタイミングがずれます。
オートメーションがずれたりMIDIリージョンのタイミングがずれたり、オーディオはずれなかったりとDAWによって挙動は様々なので、結局オシロスコープ系のプラグイン使うしかないと思ってます。
Logicは検証した結果このタイミングのバグがひどかったので使うのやめました。
>オートメーションでダッキングは基本しないので未検証でしたが、以前のミュートの記事と関連してるのでずれますよねぇ。
そうなんです、ずれるんですね。
>こういうプラグインの挙動調べるの好きなので少し踏み込んだことを言うと、遅延の発生するプラグインと同時に使ったりルーティングを複雑にしてもDAWによってタイミングがずれます。
FLStudioも結構ずれるんです。
フリーズ(レンダリングも)時にレイテンシーがあるプラグイン刺さってるとズレますし、オートメーションもレイテンシーがあるプラグインとの相性は悪いです。
FLStudioは自動遅延補正の実装も遅かったので、この辺は弱いんです。
>Logicは検証した結果このタイミングのバグがひどかったので使うのやめました。
そうなんですか?Logicはその辺ズレなそうと勝手に思っていました。
(たしか昔MIDIのタイミングがかかなり正確と謳っていたのでその辺しっかりしてるのかと)
と言う事はLiveはズレないですか?
Liveがずーっと気になってはいるんです。
FLStudioはVSTiとしても使えるので、LiveからFLStudioを使うというのもありなんじゃないかと思ってます。
>Logicはその辺ズレなそうと勝手に思っていました。
私も元Logicユーザーなのでなんとなく正確そうだと思って使っていましたが、完全にプラシーボでした。
海外の検証でLogicは最もPDCが不正確なDAWだと評価されています。
1ヶ月前にリリースされたLogic Pro 10.6.2でPDC周りのアップデートがありましたが、10.6.2になるまで一切PDC周りのアップデートがなかったぐらいPDCは酷かったです。
フリーズでもちろんずれますし、オートメーションも駄目、極めつけはサイドチェイン入力周りも同様にPDCが効かないので、サイドチェイン使うプラグインがほぼほぼ全滅です。
厳密にやろうとしなければ使えますが、制作段階で何度もタイミングが変わって位相もめちゃめちゃになるのが気持ち悪くて流石にやめました。
このLogicのバグに気づいている人は海外でも少ないですが、「Logic PDC」でググると大量にLogicが使い物にならないという検証結果が出てきます。
日本では一切言及されておらず、Logicは音がいいとか言ってる人ばかりですが、Logicの音は少なくとも位相面において最悪です。フリーソフト含めてです。
>と言う事はLiveはズレないですか?
Liveもバグはありますが、対処可能なレベルです。
最も重要(だと考えている)なフリーズに関してはズレません。サイドチェインもシンプルな状態だとずれません。複雑なルーティングは試せてないですが、サイドチェイン周りはLogicとPro Tools以外PDCが効いてるとoeksoundが検証してくれてるので多分大丈夫な気がします。
https://oeksound.com/articles/sidechain-latency-compensation/
Pro Toolsはそもそもサイドチェインがステレオで動かないとかいう訳のわからない仕様になってるので、Pro Toolsもミックスには使えないDAWだと思っています。
一方でLiveの弱点はMIDI周りのPDCです。CableguysのFAQでも言及されています。PDCでページ内検索すると見つかります。
https://www.cableguys.com/faq.html
FAQの回答にもあるように、MIDIトリガーモードにして1小節の開始ポイントを正しく指定してやるとタイミングがずれません。MIDIトリガーのないプラグインは手動で補正する必要があります。
トレモロみたいな時間でエフェクトが変化するタイプのプラグインのタイミングがおかしくなる感じですね。ディレイはオーディオの入力が入ってからエフェクトするタイプなので、ディレイをSyncで使っていてもこの問題は受けないです。
人によってはこのMIDI周りのタイミングのズレが許容できない人もいると思いますが、個人的にM4Lのメリットを考えたら許容範囲だったのでLiveを使っています。
また、海外の検証ではPDC PerfectなDAWも検証されていて、Cubase、Bitwigの2つのプラグインは上記のPDC周りのバグがないと言及されています。
それ以外のDAWには何かしらタイミング周りのバグがあることがわかっています。Studio Oneにもバグがあるので、Studio OneがCubaseより音が良いという口コミを個人的に全く信用していませんw
個人的にCubaseのワークフローが受け入れられなくて外しましたが、PDC考えるとCubaseは良さげです。M4L要らなければLiveに近いBitwigも良い感じですが、M4LがでかすぎてLiveにしてる感じです。
素晴らしい情報ありがとうございます。
とても勉強になりました!
FLStudioはある程度調べていたのですが、他のDAWはさっぱりだったのです。
これが一番驚きました。
Pro Toolsはもっとその辺しっかりしているもんだと思います。
(ハードとソフトの融合ノウハウを一番もっていそうですから)
CubaseがPDC周りに強いというのは意外でした。
(Logicの話をお聞きし、レガシー機能を多く抱えている事がPDCへの対策を難しくしているのではと推測していた為)
Bitwigはその辺流石ですが、Wavesの様なライセンス形式がどうしても好きにはなれず購入せずにいますが。
DAWの音の良し悪しはほんと難しい問題ですね。
DAWの比較も結構されていますが、WAVを並べるだけとかでは実際のワークフローとは異なり、検証になっていないと思うんです。
そして実際のワークフローに沿ったやり方だと分岐点が多過ぎて検証としての条件を揃える事がほぼ不可能だと思っています。
だからもう今となっては音よりワークフローやPDCの対応状況を優先して考えた方が良いんだろうと思います。
やはり私としてはFLStudioとLiveの組み合わせが理想的のような気がしています。
色々と貴重な情報をありがとうございました。
引用コメントできるんですね!見やすいからやりたいけど方法がわからないw
>FLStudioはある程度調べていたのですが、他のDAWはさっぱりだったのです。
私もLogicにうんざりして乗り換え検討するまでは他のDAW全く知らなかったので同じですw
乗り換え理由がPDCだったのでかなり調べました。役立ったようで嬉しいです!
Pro Toolsはホント私もびっくりしました。なんでこれが業界標準なんですかね?w多分ハードウェアとの連携が優秀だからなんでしょうけど、個人にはあまり関係のない話ですね。
レコーディングには良いと思いますが、サイドチェインが強制モノラルになるのは致命的な気がします。(使用者が気づいてない気もする)
ちなみに、Logic 10.6.2でPDCのアップデートがあったので無駄になったかなと思ったんですが、実は何がアップデートされたかわからないぐらいPDCが酷いので今でも使い物になりません。
https://vi-control.net/community/threads/logic-update-10-6-2-fixes-timing-issue-with-high-latency-plugins.108912/
これLogic Xになる前からずっとある問題で、以前から指摘されていたのにApple(というより買収されたLogicの制作会社)は10年以上無視決め込んでるんですよね。
ほんとLogicは信用できないです。おすすめできないDAWのトップだと思ってます。同じ値段ならFLの方がワークフローもいいのでFL選びます。
>Logicの話をお聞きし、レガシー機能を多く抱えている事がPDCへの対策を難しくしているのではと推測していた
これに関してはオーディオエンジンのアップデートに積極的かどうかが関係していると海外の掲示板では議論されています。
Logicはオーディオエンジンがずっと古いままでした。Cubaseはレガシーな負債が結構ありますが、オーディオエンジンのアップデートに積極的なのでPDCが正確なようです。
オーディオエンジンのアップデートって地味で興味ある人以外誰も見ないので、DAWメーカーでかなり対応違うっぽいです。Abletonもかつては酷かったので、Liveの音は悪いと言われてる時期がありました。今でもその名残で悪いイメージ持ってる人多いですね。
当時のLiveは間違いなくPDCが最悪だったようです。今ではその座はLogicのものですが。
>やはり私としてはFLStudioとLiveの組み合わせが理想的のような気がしています。
Liveと別のDAW組み合わせるのが最適解だと私も思います。LiveはARA対応してなかったり、VST3に対応するのが一番遅かったりと、Live独自の機能のアップデートには積極的で他のDAWを圧倒しているんですが、共通規格への対応が遅いのでサブDAWが必須だと思っています。
なので、そういう場面では渋々Logic引っ張り出して併用しています。
管理者側の機能でユーザは使えないようです。
一応blockquoteで囲めば出来るんですが、ちょっと面倒ですね。
<blockquote>コメントにしたい内容</blockquote>
上の例はを全角にしてコメントにならないようにしてます。
Emagicですよね。LogicがWinでも出たと思ったらAppleに買収されWinのLigicが消え去った事は今でも鮮明に覚えています。
そしてCamel Audioもですね。
Appleが買収してLogicが良い方向に行ったのかと思っていました。
10年以上放置って中々凄いですね。
(オーディオ部分の設計をした開発者がいなくなってたりして?)
確かオーディオエンジンはNuendoの物を使っているとどっかで見た事があります。
今ではNuendoでMIDIも扱えるのでCubaseの上位製品という扱いみたいですね。
開発の戦略が良かったのかもしれません。
(YAMAHAは開発のノウハウもあるでしょうし、こちらの買収は今の所良い方向に向かっているように思います)
Abletonは上の人経営者として優秀なんだと思います。
後発のDAWなのに今ではかなりシェアが増えていますし、MAXとの統合も素晴らしい判断だったと思います。
(これは他のDAWには簡単に真似できないアドバンテージですよね)
確かにVST3への対応が遅かったと記憶しています。
(Twitterとかで嘆いている呟きを目にしましたw)
やはり他のDAWとの組み合わせは有効ですね。