FLStudioの使い方 ミュートをオートメーションする時に知っておくべきこと
先日FLStudioのオフィシャルフォームでミュートするならどのコントローラーが良いか(違いがあるのか)かと言う話が議論されていました。
(5/9に始ったスレッドなのでまだ議論の途中とも言えます)
オートメーションでミュートというのは以下の様な事です。
コントローラーは「Mixer」や「Fruity Balance」等のことを指します。
議論の結論
現時点での結論は用途によって使い分けが必要というはなしです。
と言うのも多くのコントローラーはゲインコントロールにスムージング処理(フェードインフェードアウト)が行われます。
その為、ミュートした瞬間にGainが0になる訳では無く、フェードイン/アウトしてGainが0になります。
そしてそのスムージング処理に掛かる時間がコントローラーやプラグインによって異なったそうです。
各スムージング処理に掛かるサンプル数は以下の値だったそうです。
・Channel rack/MISC tab:約880 smp
・Fruity Balance:120 smp
・kiloHearts Gain:24 smp
驚きなのはNativeではない「kiloHearts Gain」が一番低いサンプル数だったと言う事です。
「Fruity Mute 2」は瞬時にGainが0になりますが、全くスムージング処理がされない為、クリップが発生する可能性があります。
Fruity BalanceとkiloHearts Gainの比較
議論をそのまま鵜呑みにするのは如何なものかと思いますので自分で検証してみました。
実際に「Fruity Balance」と「kiloHearts Gain」を比べてみます。
そして個人的に気になるのはオートメーションクリップで「Fruity Balance」を使ってサイドチェインする際に影響するんじゃないだろうかと言う事なんです。
やり方はKickが鳴ると同時にGainを0にして音が鳴らない状態にします。
Fruity Balance
「Fruity Balance」の場合です。
完全に音が消えるまでに約112サンプルかかりました。
これはサイドチェインした場合、アタックは影響しますね。
kiloHearts Gain
「kiloHearts Gain」の場合です。
検証していてちょっと違う問題に直面しました。
「kiloHearts Gain」はGainを増減するのに2つのモードがあり、「%」と「dB」が存在します。
両方確認してみました。
なお「dB」の時の最低が-30dBで完全には無音になりません。
「Fruity Balance」は-60.5dBの下が-INFdBで完全に無音になります。
「%」の時
厳密に測ると113サンプル位必要ですが、後半はかなり音量としては小さいです。
完全無音とまでいかなくても良いと考えるならば63サンプル位です。
「dB」の時
「dB」の時は-30dBなでしか下がらないので無音にはなりません。
完全無音にならなくても良いと考えるなら56サンプル位です。
「kiloHearts Gain」を使うなら「%」モードで使った方が良いです。
FLStudioの使い方 ミュートをオートメーションする時に知っておくべきことまとめ
どのコントローラーを使ってもサイドチェインをするにはアタックが残ってしまうか、Muteの様にクリップが発生する可能性があります。
更に深堀してサイドチェイン時にKickのアタックがBassのアタックに被るのか検証してみます。
コメント
ミュート機能の検証はしたことがなかったですが面白いですね。
よくよく考えてみればサンプルをフェードかけずにぶつ切りすればクリップするのが普通なので、それが起きていないということはフェードの処理がされてるのは当然ですね。
ミュートとは若干違いますがTime Shaper系のプラグインも基本的にはクリップをぶつ切りしてポイントをずらしているのでフェードがかかってるんですよね。
デフォルトだと強めにフェード効いてることもあってアタックがモワつくことがあるので、フェード弱めるとくっきりしたりしてなかなか奥が深いです。
コメントありがとうございます。
>よくよく考えてみればサンプルをフェードかけずにぶつ切りすればクリップするのが普通なので、それが起きていないということはフェードの処理がされてるのは当然ですね。
そうなんです、私もそりゃそうだよなぁと目から鱗でした。
GUIだけを信じてはいけない典型かもしれません。
>デフォルトだと強めにフェード効いてることもあってアタックがモワつくことがあるので、フェード弱めるとくっきりしたりしてなかなか奥が深いです。
この辺の理屈と振る舞いをDAW、プラグイン共に理解しておいた方が良さそうですね。