待ちわびたCymaticsさんのLo-FiプラグインOriginがリリースされました。
ノブが5つだけでシンプルな設計ですが、しっかり考えらて作られています。
この記事は以下の内容でお送りします。
各パラメーターの解説
各パラメータをマニュアルをベースに解説していきます。
Resampler
Originの核となるのはリサンプラで、実行中のオーディオのサンプルレートをリアルタイムで変更します。リアルタイムで変更します。これはナイキスト・シャノンのサンプリング定理を利用したもので、デジタル領域で再現可能な最高の周波数はサンプリングレートの2分の1であるというものです。これは、デジタル領域で生成可能な最高周波数は、サンプリングレートの2分の1であるというものです。これは、単に デジタルオーディオのサンプルレートを下げると、聴こえる高音域が減るということです。聞こえる高周波数が減るということです。
しかし、サンプルレートを下げるだけでは、ビットクラッシャー的な “イメージ “と呼ばれるアーチファクトが発生します。 多くの場合、これは好ましいものです。これらのイメージを除去すると、次のような効果が得られます。レンガ壁のようなローパスフィルターに似た効果が得られますが、音の特徴は全く異なります。
Originは、ローパスフィルターのカットオフを下げて高い周波数をカットするのではなく は数学的にリサンプラーのカットオフ周波数以上に高周波が存在することを禁止します。
*この効果は、Drakeの曲の多くのメロディーで聴かれる有名な「水中」効果です。
これはLowPassフィルターの様に見えますが、内部でリサンプリング処理が行われています。
実際にLowPassフィルターだと単純に高音が徐々に削られますが、このFilterだとビットクラッシャーの周波数とビット深度両方下げたような感じになります。
この時「Filter」の適用状態で音が全く変わります。
「Pre」と「Post」はリサンプリング前後にアンチエイリアシングフィルターを掛けるかどうかの設定です。(Preが前、Postが後)
アンチエイリアシングフィルターは折り返しノイズを除去するフィルターかと思います。
要はギラギラした感じの音を低減してくれるフィルターです。
全てOFFにしている時は通常のビットクラッシャーの周波数とビット深度両方を動かした時の様な音になります。
Filter全てOFF
PreのみOn
8kHzを切ったあたりからハイハットが殆ど聴こえなくなります。
PostのみOn
「Pre」のみに比べ丸みがあります。
ビットクラッシャー独特のLo-Fi感を取り去った上でLo-Fi感を出せるのは魅力的です。
PreとPost両方On
マニュアルにある「underwater」(水中)効果はこの事を指しているんだと思います。
ここにChorusを足すと正しく水中の様な雰囲気になります。
Filters
リサンプリング処理で発生するイメージングアーチファクトは、リサンプラ後のアンチエイリアシングフィルターで除去することができます。
リサンプラ前の近似フィルタは、リサンプラ前の入力段で高周波を除去し、イメージング・アーチファクトをさらに低減します。
ハイパスフィルターは200Hzに固定された標準的なフィルターで、不要な低域を除去します。
リサンプリング前後のアンチエイリアシングフィルターについては前の「Resampler」部分を参照して下さい。
ハイパスフィルターのみOn
ハイパスフィルターは200Hz固定なので、低音部分がすっぽり消えます。
リサンプリングで周波数を下げるとKickが目立ちますので、そういった時にOnにすれば自然に聴こえるように出来ます。
Saturation
ビンテージギアの入力をドライブすると、非線形のサチュレーションが発生し、サウンドに色をつけ、特徴を与えます。Originには、信号経路の中でリサンプラの後に配置されたチューブとドライブのサチュレーションエフェクトがあります。リサンプリングされたソースにこのエフェクトをかけると、リサンプリングプロセスで失われたハーモニクスの一部を取り戻すことができます。
下のスイッチで真空管タイプとドライブタイプを変更出来ます。
真空管タイプの方が歪みが少し弱めでドライブタイプの方が高い周波数をが持ち上がります。
Movement
ムーブメントモジュールは、古いテープの微妙なピッチの揺れをエミュレートします。Originには、微妙なピッチモジュレーションから極端なピッチモジュレーションまで、2つのユニークなMovementモードがあります。
Randomモードは、信号のピッチをランダムに変調します。これは、アナログテープの折り目や変形によって生じる効果に似ています。ランダムなピッチモジュレーションの量を増やすと、その効果が強まり、また、若干速くなります。
2つ目のムーブメントタイプは、古いオープンリールデッキに見られる、より伝統的なWow/Flutterの組み合わせをベースにしています。このタイプの量を増やすと、ゆっくりとしたWowモジュレーションの効果が強まり、50%のマークを過ぎたところでゆっくりと速いFlutterモジュレーションが入ってきます。
下のスイッチでピッチモジュレーションを「Random」か「Fix」を変更出来ます。
「Random」の方がピッチの揺れ幅が広く、「Fix」の方が揺れ幅が狭いです。
「Fix」は50%以下はWowで50%以上でFlutterの効果となるようです。
Noise
ノイズモジュールには、ビンテージ機器のノイズソースが豊富に用意されています。ノブの下にあるスイッチで、リサンプラーの前と後に配置することができます。リサンプラーの前にノイズソースを配置すると、カットオフポイントを心地よく汚すことができます。
ノイズは13種類搭載されていています。
下のスイッチでリサンプリング前か後を選ぶ事が出来ます。
ノイズを加えてコーラスを掛けると一層水中っぽい感じになります。
リサンプリング前の場合、周波数を下げるとノイズ成分もカットされますが、リサンプリング後だとノイズがそのままなります。
Chorus
Originのコーラスは、アイコンであるJuno-60シンセサイザーに搭載されているクラシックなバケットブリゲーション・チップをベースにしています。スイッチは、JUNO-60と同じ2つのコーラス・レートを選択します。これにより、どんな鈍いモノラルサウンドも、青々とした鮮やかな万華鏡に変わります(数十年前からそうでした)。
*すべてのフィルターをオンにした状態でリサンプリング周波数を半分に設定し、コーラスを上げると、すべてが理解できるようになります。
もうコーラスはJuno-60ばかりですね。
これをやってみました。
*すべてのフィルターをオンにした状態でリサンプリング周波数を半分に設定し、コーラスを上げると、すべてが理解できるようになります。
確かに気持ちの良い音になりますし、よくLo-Fi系の音楽で聴くタイプの音です。
まとめ
流石はCymaticsさんと言う感じです。
シンプルですが得られるバリエーションが多いです。
そしてLo-Fiサウンドを得るのにうってつけのプラグインです。
Lo-Fiを作りたいという方はまずこのプラグインから入ると良いかと思います。
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