今回はマイナーアップデートに関わらず結構大きなアップデートです。
既に記事を書いていますが、新たに「Frequency Shifter」が搭載されました。
Apple Silicon(M1)へのサポートもされています。
主要なアップデートを別途解説を付けました。
FL Studio 20.8.2のアップデート内容
- Apple Silicon Support – Apple Silicon (M1および関連CPU)のネイティブARMコードをサポート。
- 3x Osc – アンチエイリアスを追加。
- Frequency Shifter – メタリック、不協和音、リングモジュレーション、フェイジングなどの効果を生み出す特殊効果。Producer Edition以上に収録。
- Control Surface – コントロールのラベルの表示/非表示を切り替える「ラベルの表示」オプションを追加しました。
- ツールバー – 設定された言語を変更するためのツールバーボタンを追加しました。このボタンは、言語がデフォルトから変更されたときにデフォルトで表示されます。
- Edison – (Right+Click)を使用したときに、メニューを閉じずに視覚化オプションを適用するようになりました。
- 「Disable undo for large samples」メニューの名称を「Enable undo for large samples」に変更しました。
- Piano roll – 再生時にピアノロールにマウスでクリックした音をプレビューするオプションを追加しました。
- Maximus & Limiter – 0.2dBの安全マージンを無効にするメニューオプションを追加しました。
- Mixer Menu > Recording – 「Apply track level and mute when recording」(録音時にトラックレベルとミュートを適用する)というオプションを追加し、ミキサーで「ポスト」エフェクトを録音する際にこれらを無視できるようにしました。
- MIDI Settings – 外部コントローラーにリンクされたコントロールに対する「ピックアップ」機能の追加(option in General settings)
- ZGameEditor Visualizer – Webカメラを複数のプラグインで同時に使用できるようになりました。また、各バッファの新しい「輝度平均」内部コントローラーが、(右+クリック)コントローラーへのリンクオプションで利用可能になりました。ビデオコントローラー」エフェクトを使った新しいビデオスクラブオプション。Dubswitcherによる新しい「Peakmap」エフェクト。
- Playlist – 書き出しオプションに合わせて、「Consolidate track(s) > Full song’ to」の名称を「Full song’ to ‘From song start’」に変更しました。
- MIDI Scripting – ミキサーモジュールに、mixer.isTrackMuteLock関数、getTrackStereoSep関数、setTrackStereoSep関数、特定のプラグインのキーの色を取得する関数(今のところFPCのみ)、OnRefreshイベントのHardware_Refresh_ControlValuesフラグを追加しました。
- Patcher – アクティブでないパラメータのポップアップでコピー&ペーストができる(Ctrl+C)と(Ctrl+V)を追加しました。
- Mixer – ミキサートラックのボリューム(dB)ラベルの輝度を上げました。
- Mixer – トラック(右クリック)とミキサーメニューのオプションで、選択したミキサートラックのルーティングをデフォルトに戻すことができます。
- Automation – 「グローバルリンク」ポップアップに「モード」オプションを追加しました。
- File Menu – オプションの追加「Export all playlist tracks」(すべてのプレイリストのトラックをエクスポート) > 「From track start」、「Song start」または「Time selection」
- FL Studio Mobile – 更新しました。 変更履歴はこちらをご覧ください。
- Piano roll > Note properties – ノートのプロパティダイアログは、ピアノロールと同じ画面に常に表示されるようになりました。
- Windows File Browser – すべてのフォルダ選択ウィンドウを、最新のOSのファイルブラウザウィンドウに置き換えました。
- Burn to MIDI – Burning MIDIを選択すると、SwingとArpeggiatorのリセットオプションが追加されます。
主要及び私の環境で確認可能なアップデートを解説しました。
3x Osc
アンチエイリアスを追加。
両方の選択が出来るのは良い事ですね。
3x OSCは非常に軽いので非力なPC等で使う場合等には重宝するかと思います。
アンチエイリアスをOnにするには「HQ」を点灯させればOKです。
なおアンチエイリアスの効果は以下の動画を見てみて下さい。
高音だと顕著で折り返しノイズが発生しなくなります。
Frequency Shifter
メタリック、不協和音、リングモジュレーション、フェイジングなどの効果を生み出す特殊効果。Producer Edition以上に収録。
Frequency Shifterについては以下の記事で詳しく書いていますのでこちらをどうぞ。
なおトライアルとして表示されてしまう場合の対処方法も記事書いています。
Control Surface
コントロールのラベルの表示/非表示を切り替える「ラベルの表示」オプションを追加しました。
これは非常に小さい変更です。
各コントローラーのラベルの表示/非表示を切り替え出来るようになりました。
Edison
(Right+Click)を使用したときに、メニューを閉じずに視覚化オプションを適用するようになりました。
メニューを開いた状態で右クリックで視覚化オプションの有効/無効を変更出来るようになりました。
Piano roll
再生時にピアノロールにマウスでクリックした音をプレビューするオプションを追加しました。
ピアノロールでプレイバック中にノートを追加した時に音が鳴る/鳴らないを選択出来るようになりました。
切り替えは▼から「Preview notes during playback」です。
「Preview notes during playback」を有効にすると再生中にノートを追加する際に音が鳴る様になります。
Maximus & Limiter
0.2dBの安全マージンを無効にするメニューオプションを追加しました。
マージンが要らないという場合はチェックを外せば0.2dBのマージンを取らなくなるようです。
設定箇所はそれぞれキャプチャを用意しました。
Maximus
Limiter
Mixer Menu > Recording
「Apply track level and mute when recording」(録音時にトラックレベルとミュートを適用する)というオプションを追加し、ミキサーで「ポスト」エフェクトを録音する際にこれらを無視できるようにしました。
これは例えばミキサーフェーダーを小さくしていた場合に録音に影響するかどうかを選択出来るようになりました。
チェックを入れるとミキサーフェーダーやミュートが影響するようになります。
MIDI Settings
外部コントローラーにリンクされたコントロールに対する「ピックアップ」機能の追加(option in General settings)
MIDIコントローラーで操作する際に、MIDIコントローラーのスライダー位置と動かすパラメータの値が異なった場合、パラメータの値に到達するまでは動かないように設定出来るようになりました。
設定箇所は「MIDI Settings」の以下の箇所です。
以下の動画を見て頂く方が判り易いです。
(開始位置を調整してあります)
Patcher
アクティブでないパラメータのポップアップでコピー&ペーストができる(Ctrl+C)と(Ctrl+V)を追加しました。
Patcher内でFLのネイティブプラグインでパラメータをアクティブにしなくてもコピーとペーストが出来るようになりました。
多分以前は一度「Activate」しないとコピーとペーストが出来なかったんだと思います。
Mixer
ミキサートラックのボリューム(dB)ラベルの輝度を上げました。
動画から画面キャプチャを取得しましたが、かなり微々たる感じです。
トラック(右クリック)とミキサーメニューのオプションで、選択したミキサートラックのルーティングをデフォルトに戻すことができます。
ルーティングを色々弄って訳が分からなくなったなんて時にデフォルトにリセット出来る機能が付きました。
ミキサーの左上の▼から「Reset selected track(s) routing」です。
Automation
「グローバルリンク」ポップアップに「モード」オプションを追加しました。
「Automation」となっているのですが、「Global Links Settings」にモードオプションが付いたと言う事のようです。
要はMIDIコントローラーの動きを決める事が出来ます。
それぞれの動きも一応マニュアルの日本語訳を載せときます。
Hold – キーを離すまで、ベロシティがオートメーションの値として保持されます。
Latch – 連続してキーを押すと、オートメーションを 0 ~ 100% の間でラッチします(これは、以前のバージョンの Black & White キーの自動リンクを置き換えるものです)。
Inc – キーを押すたびに値が増加します。
Stay – キーを離した後も、ベロシティがオートメーションの値として保持されます。
File Menu
オプションの追加「Export all playlist tracks」(すべてのプレイリストのトラックをエクスポート) > 「From track start」、「Song start」または「Time selection」
プレイリストベースでの出力が出来るようになりました。
Piano roll > Note properties
ノートのプロパティダイアログは、ピアノロールと同じ画面に常に表示されるようになりました。
これはなんのことか判りませんでした。
ノートのプロパティダイアログは以下の事だと思うのですが、ピアノロールと同じ画面に表示され無い事があったのかは判りません。
Windows File Browser
すべてのフォルダ選択ウィンドウを、最新のOSのファイルブラウザウィンドウに置き換えました。
以前のバージョンだと一部古いタイプのフォルダ選択ウィンドウが表示されていましたが、ピン止めや検索が出来るタイプの新しいファイルブラウザウィンドウに全て置き換わりました。
Burn to MIDI
Burning MIDIを選択すると、SwingとArpeggiatorのリセットオプションが追加されます。
これはFLStudioのNativeのSwing、Arpeggiator、Echoを使っている際に書き出した後にリセットするか選択できるようになりました。
Swingはどこか判りませんでしたが、「Arpeggiator」と「Echo feedback」は以下の箇所がリセットされます。
コメント