ChowduryDSPさんの新作プラグインがリリースされました。
今回は808のKickをモデリングしたKick音源です。
MIDIノートで音程をコントロール出来ますが、ちょっと音作りが難しいかと思います。
この記事では以下の内容でお送りします。
・ChowKickのダウンロード方法
・ChowKickのパラメータ解説
・ChowKickの簡単な使い方
ChowKickの概要
Chow Kickは、古いドラムマシンの回路を物理的にモデリングして作られたキックドラムシンセサイザーです。高度なパラメータ設定が可能なパルス・シェイパーに加え、いくつかの非線形モードを持つレゾナント・フィルターを使用し、サウンド・デザイナーに幅広い可能性を提供します。また、キックドラムは、曲のキーに合わせてMIDIノートを入力して簡単に「チューニング」することができます。
なお Apple Siliconはまだテスト中で、試したい場合はNightly Buildsで最新テスト版を試す事も出来ます。
ChowKickのダウンロード方法
以下のリンクより遷移し、該当のOSのインストーラーをダウンロードします。
IOS版まで無料は凄いですね。
(App内課金と書かれていたので見てみたらTipとして寄付出来るというだけで全ての機能を普通に使えます)
無料なのにマニュアルをしっかり作られているのも素晴らしいですしオープンソースなのでソースコードまで公開されています。
ChowKickの簡単な使い方
パパっと使いたい方向けにTips的な感じで書いときます。
パラメータについて詳しく知りたい方は次の「ChowKickのパラメータ解説」を参考にしてみて下さい。
MIDIで音程をコントロールする
これは単純に「Link」パラメータにチェックを入れればMIDIでコントロール出来るようになります。
ただ結構音にバラつきが出るので使い辛いかと思います。
一番音程感が出るのは「Res.」が「Linear」の時かと思います。
強めにコンプ(Recio高め)を掛けると音程感が増します。
Kickの音程を曲のキーに合わせる
以前以下の記事を書いた時にこちらを参考にエクセルで作りました。
(判り易く小数点以下は四捨五入してます)
要は「1.059463094」を掛ければ次のHzが判るという事らしいです。
ChowKickはCtrl キーを押しながら「Frequency」ノブを動かすと微調整出来るのとダブルクリックで値入力が可能です。
Kickを主体とする音楽であれば、Kickから逆算してキーを決めると良いのかもしれません。
音の長さ(リリース)を調整する
これが判りずらいのですが、「Pulse Shaper」のリリースでは音の長さのコントロールが出来ません。
「Damping」パラメータを使うと音の長さを調整する事が出来ます。
ChowKickのパラメータ解説
各パラメータをマニュアルの日本語訳と音を交えて解説していきます。
エンベロープが変な形しているので何かと思ったのですが、これはPulseなんですね。
これは知らなかったのでとても勉強になりました。
Pulse Shaper
Pulse ShaperはPulseを変形してエンベロープを作ります。
With
Widthは、キックドラムのトリガーとなる生成パルスの幅をコントロールします。レンジは 25マイクロセカンドから2.5ミリセカンド。
Amplitude
振幅は、キックドラムのトリガーとなる生成パルスの キックドラムのトリガーとなるパルスの最大振幅をコントロールします。
Decay
Decayは、パルスが最大振幅からどれだけ早く減衰するかを制御します。内部的には、パルスシェーパ回路の抵抗R162の値を制御します。
Sustain
Sustainは、パルスのサステインレベルをコントロールします。内部的にはこの パルスシェーパ回路の抵抗R163を制御します。
Voices
Voices は、キック・シンセサイザーで使用するポリフォニック・ボイスの数をコントロールします。この機能は、ディケイタイムの長いキックサウンドに有効で、新しいキックをトリガーしても前のキックのリンギングアウトがカットされないようにすることができます。なお、ボイス数を増やしても、プラグインのCPU使用率に影響はありません。
Resonant Filter
共振フィルタ部は、グローバルフィードバック付きの非線形共振フィルタを実装しています。
Frequency
Frequencyはレゾナントフィルターの中心周波数をコントロールし、30Hzから500Hzの範囲で設定します。
Link
Linkは周波数コントロールを無効にし、代わりにプラグインのMIDIノート入力でキックドラムの共振周波数を決定します。
Q
Q は、フィルターの品質係数をコントロールします。
Damping
Dampingは、フィルター周辺のグローバルフィードバックの量をコントロールします。ダンピングの値が低い場合、キックドラムの減衰時間が非常に長くなります。
Tight
Tight は、フィルターの非線形特性を調整して、信号の振幅が大きくなるとフィルターの共振が小さくなるようにします。
このパラメーターは、コンプレッサーを使ってキックドラムの音を「引き締める」のと同じような効果があります。
Bounce
Bounce フィルターの非線形特性を調整して、信号の振幅が大きくなるにつれてフィルターの周波数が高くなるようにします。
このパラメーターは、キックドラムの音にピッチモジュレーションのような効果を与えるのに役立ちます。
Tone
Toneはキックドラムの出力音を調整し、ドラム音の高音域を強調するか弱めるかを選択します。
Res.
Res. モードは、”タイト “と “バウンス “がサウンド全体に与える影響をコントロールします。
まとめ
結構色々なタイプのKickを作る事が出来ます。
そしてChowduryDSPさんはアップデートをきちんとするデベロッパーさんなので、今後の発展も楽しみです。
Sony TC-260のエミュであるChow Tape Modelはかなりアップデートを重ねてブラッシュアップされています。
なお過去バージョンもダウンロード出来ます。
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