Softube Modular Synth徹底レビュー
Chillout with Beats の yosi です。
バーチャルモジュラー好きの私としてはこれも使ってみなくてはという事で買いましたので徹底レビューします。
現状バーチャルモジュラー界は3つの製品がしのぎを削っています。
(あとNativeInstrumentsのReaktor Blocksもありますが、勢力としては少し弱いと思います。)
2.Voltage Modular
3.Softube Modular Synth
2つについては 既に結構な量の記事を書いていますので、興味のある方は是非読んでみて下さい。
VCV RACKまとめページ
Voltage Modularのまとめページ
前置きが長くなりましたが、今回は3大勢力最後のSoftube Modular Synthのレビューです。
結論から言いますとSoftube Modular Synthはこんな方におすすめです。
・音にこだわりがある人
・既にSoftubeのHartBeatやTubeDelay等の製品を持っている人
逆にこの様な方にはあまりおすすめ出来ません。
・使い易さやモジュール数優先で音はそこまでこだわりない人
・無料でバーチャルモジューラーを体験したい人
・DAW上ではなく、スタンドアローンで使いたい人
・使い勝手
Softube Modular Synthの概要
Doubeferとの緊密なコラボレーションで作成されたSoftube Modularは、真のアナログモジュラーシンセサイザーのサウンド、柔軟性、拡張性の両方を提供します。ただし、Softube Modularは単なる仮想シンセサイザープラグインではなく、まったく新しいモジュラーシンセ標準です。
モジュラーオーナーとして、基本システムは最初から素晴らしいツールキットを提供します。 6つのモデル化されたDoepferモジュールと20を超えるユーティリティモジュールが含まれています。しかし、発見すべきことはまだたくさんあります。最先端のメーカーIntellijelのさまざまなユニットから始めて、高品質のEurorackベンダーの追加モジュールを別途購入できます。より多くのモジュールが継続的に利用可能になります。 SoftubeのドラムシンセHeartbeatの所有者は、その楽器とEQモジュールをModularに追加し、他のモジュールと組み合わせることができます。 Softubeの受賞歴のあるエンジニアリングチームは、各アナログモジュールをコンポーネントごとにモデリングしており、結果として得られるプラグインは、対応するハードウェアと音響的に区別できません。
主な機能
- モジュラーは、クロスプラットフォームのモジュラーシンセサイザープラグイン標準であり、有名なハードウェアEurorackブランドのモジュールの承認されたエミュレーションを備えています
- 真のダイナミックな回路エミュレーション—ハードウェアのような外観、機能、サウンド
- 基本システムには、6つのDoepferモジュールが含まれます(A-110-1 VCO、A-108 VCF、A-132-3デュアルVCA、A-140 ADSR、A-118ノイズ/ランダム、A-147 VCLFO)
- 基本システムには、20を超えるユーティリティモジュール(MIDI to CV / gate、ミキサー、スルー、サンプル&ホールド、スイッチ、倍数、遅延、オフセット、シーケンサー、クロック分周器、ロジックおよび信号ツール、ポリフォニックMIDI CV / gateモジュール)。
- Intellijelからの追加の認可されたエミュレーションは、アドオンとして利用可能です(uFold II、Korgasmatron II、Rubicon)。他の高品質ハードウェアEurorackベンダーからのより多くのモジュールがリリースされる
- クラシックシンセサイザースタイルのパフォーマンスモジュールを使用した独自のインタラクションレイアウトのシンプルなデザイン
- Softube HeartbeatのドラムチャンネルとEQは、Heartbeatの所有者用の個別のモジュールとして使用できます。
- 膨大な範囲のスタイルとサウンドをカバーする200以上の品質プリセットが含まれています
- DAWのエフェクトとインストゥルメントの両方として使用でき、ハードウェアEurorackモジュラーと美しく統合
- システム内の高い内部サンプルレートにより、真のフィードバックが可能
システム要件
Windows 7, 8 or 10 and a 32-bit or 64-bit DAW.
MacOS 10.9 or newer and a 64-bit DAW.
Plug-in Formats:
VST, VST3, AU, or AAX (Pro Tools 10.3.7, 11.0.2 or higher) に対応したDAW
その他:
・Intel Core 2 Duo, AMD Athlon 64 X2 or newer
・解像度1280×800以上
・1 GB RAM以上6 GB以上のハードディスク空きスペース
・Softube/Gobblerアカウント
・インターネットアクセス
Softube Modular Synth搭載モジュール
デフォルトモジュール
デフォルトで搭載されているモジュールは全部で40モジュールかと思います。(無料のSatulation knob含む)
7 Doepfer modules
A-110-1 VCO, A-108 VCF, A-132-3 Dual VCA, A-140 ADSR, A-118 Noise/Random, A-147 VCLFO
グレイアウトしている所はアドオンです。(追加購入)
20+ utility modules
Softube Modular Synthに追加可能なモジュール
Doepfer modules
A-101-2 Vactrol LPG Module,Doepfer A-188-1 BBD
Intellijel modules
Rubicon VCO Module,Korgasmatron II Filter Module,uFold II Wavefolder Module
4MS modules
Spectral Multiband Resonator,Pingable Envelope Generator
Buchla modules
Buchla 259e Twisted Waveform Generator,Buchla 296e Spectral Processor
Mutable Instruments
Softube FX
以下のSoftubeエフェクトを所有していればそのままモジュールとしてSoftube Modular Synthから利用可能です。
TSAR-1 Reverb,TSAR-1R Reverb,Spring Reverb,Tube Delay
Heartbeat
Heartbeatを所有していればHeartbeat搭載されているドラムモジュールをSoftube Modular Synthから利用可能です。
Softube Modular SynthのCPU負荷
CPUはCore i7-4770K 3.5GHzでの計測です。
はっきり言ってCPU負荷は高めです。
FLStudio起動時の状態です。
シンセ利用時
プリセット「Bass Classic Hoover Mono」を読み込んで見ました。
22%前後と重いです。再生すると24%前後になります。
モジュールはこんな感じです。見た目と音は最高です。
動画を撮りました。太い良い音してます。
レゾナンス等を変えると凄いですね。
Braidsを試してみました。
4音ポリで35%とかなりの負荷です。
ただ音は素晴らしい。VCV RACKと比べると可哀そうな位に良い音しています。
聴き比べを別途記事にしようかと思います。
エフェクト利用時
ステレオで使えるように「A-108 VCF8」を2台とモードを切り替えるスイッチ2台で以下の状態です。
以下の「AutoFilter」のプリセットだと26%~28%の負荷とかなり重たいです。
動画を撮ってみました。重たいですが間違いなく音は良いです。
Softube Modular Synthの使い勝手
はっきり言うと音とビジュアルは最高です。ただ、操作性は最低です。
VCV RACK、Voltage Modularに比べるとかなり劣ります。
2.複製、削除、移動等がモードに入ってから行う必要あり
3.ケーブルの透明度やテンション(張り具合)変更の設定なし
4.複数ノブをパフォーマンスに割り当て不可
5.モジュール追加時に検索機能無し
6.値入力無し
7.GUIサイズ変更が3パターンのみ
8.Scopeモジュールが存在しない
1.右クリックが無い
右クリックが無く、VCV RACKやVoltage Modularでは当たり前の複製や削除等が右クリックから行えません。(メニュー等もありません)
あるのは以下の3つのボタンです。
あとは右下にプリセットとSetupに入るボタンが存在します。
次の内容と被りますが、モジュールの追加、移動、削除がかなり面倒です。
VCV RACKの場合、モジュール上で右クリックすると以下の様に複製やモジュールのヘルプ等々にアクセス可能です。
2.削除、移動等がモードに入ってから行う必要あり
右クリックにも通じる部分ですが、削除、移動を個別のモードに入って行う必要があります。
(ちょっと衝撃でした)
言葉だと判り辛いと思いますので、GIF動画を用意しました。
当然ですが、Del キーも使えません。
3.ケーブルの透明度やテンション(張り具合)変更の設定なし
ケーブルの透明度、テンションは変更出来ませんが、モジュールに触れていない状態ではケーブルは非表示となります。
モジュールにマウスカーソルを置くとケーブルが表示されモジュールに接続されているケーブルは色が濃く表示され判り易いです。
ただユーザにある程度変更させて欲しいと感じます。
4.複数ノブをパフォーマンスに割り当て不可
Softube Modular Synthには好きなパラメータをパフォーマンスに割り当て可能です。
要はライブ等でコントロールするパラメータをまとめて管理できるパネルのようなものです。
そして残念なことにこのパフォーマンスに割り当てるのもエディットモードに入って設定する必要があります。(そして使い辛い)
1つパフォーマンスのノブに割り当てて、次のパラメーターを重ねて割り当てると後が優先されます。(残念・・・)
Voltage Modularだと同じような機能がありますが、複数のパラメータをノブにアサイン可能です。
5.モジュール追加時に検索機能無し
VCV RACKやVoltage Modularにはモジュールを検索する機能があり、かなり重宝します。
残念ながらSoftube Modular Synthにはその機能がありません。
(まだモジュール数が少ないのと、カテゴリ毎で分かれている為、何とかなると言えばなります。)
VCV RACK
VCV RACKは使い勝手が良いですね。
モジュール量も半端ないのですし。音は薄いのとVSTから使えない事以外は完璧と言って良いかと思います。
Voltage Modular
Voltage Modularは無料版のモジュール数が少ない以外はなかなか音も良いです。
6.値入力無し
こちらもVCV RACK、Voltage Modular共にある機能ですが、Softube Modular Synthには搭載されていません。
コピーペーストと言った機能もありません。
一応値表示はしてくれる為、何とかなりますが、結構不便です。
VCV RACK
VCV RACKの場合、右クリックから値入力が出来ます。
Voltage Modular
Voltage Modularはダブルクリックで値入力が出来ます。
7.GUIサイズ変更が3パターンのみ
これもVCV RACK、Voltage Modular共に拡大縮小機能がありますが、Softube Modular Synthには搭載されていません。
一応GUIのサイズ変更は可能で「Large」、「Medium」、「Small」に変更出来ますが、要再読み込みです。
8.Scopeモジュールが存在しない
個人的にはモジュラーがシンセの理解に良い点としてScopeがある事がと思っています。
LFO、エンベロープ、オシレーターどの出力でも波形で確認する事が出来るのはかなりのアドバンテージです。
そのScopeが無いのはかなりデメリットに感じます。
VCV RACK、Voltage Modular共Scopeが使えます。
VCV RACK
VCV RACKのScopeはほんと優秀です。
見易く拡大縮小が思うように出来て本当に素晴らしいです。
Voltage Modular
VCV RACKには遠く及ばないですが、無いよりははるかに良いです。
画面が小さく拡大縮小の幅も小さいです。
Softube Modular Synth徹底レビューまとめ
ソフトシンセ目的としての購入は正直使い辛くてあまりおすすめしません。
ただしモジュラーの音をソフトウェアで体験してみたいという方にはこれ一択です。
(又は将来的にはモジュラーハードウェアを購入しようと企んでいる方(私ですが・・・)は買ってどういうモジュラーが自分好みなのかを知るのに良いです)
残念ながらVCV RACK、Voltage Modular共に音が太いとは言えません。
特にVCV RACKはかなり薄い音です。
(シンセやモジュラーの仕組みを勉強するのには無料という事もあり最高の教材です)
まとめます。
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